球制主、あっ出てこいや~!!(高田延彦さん風に)

カード

最後の残り3アウト、敵地の球場、マウンド、ボールを制する投手のことを、我々は“球制主”と呼ぶ(勝手に)。それは、一朝一夕には出来ない。投手の経験、度胸、貫禄、畏怖の念、憧憬の眼差し、全てが複雑に絡み合い、その背中に自然と顕れるものだ。

カープには、江夏豊投手、大野豊投手、津田恒美投手、ちょっと間をおいて佐々岡真司投手と、受け継がれるかのごとく、脈々と連なる中国山地のごとく“球制主”は現れた。

【2016年 EPOCH 広島東洋カープ 大野豊 直筆サインカード 54/80枚】

それがだ。90年代の相次ぐトレード流出(白武佳久投手、長冨浩志投手など)に始まり、逆指名制度、FA制度導入の改悪により、有力な若手を酷使せざるを得ず、短命に終わった投手は数知れず…。そんな中、一本杉のように育った支柱、黒田博樹投手、前田健太投手は海を渡った。今思えば、劇場と揶揄されたものの、永川勝浩投手はよくやってくれたものだ。投手の分業化がアマチュアにも浸透した昨今は、彼のような中継ぎ抑え専業投手というのが間違いなく主流だ。ちなみに、永川投手は2年目に4度だけ先発を経験している。しかし、彼の速球で押す本来の良さが活かされず、すぐに中継ぎに変更された経緯がある。

持論でも何でもないが、先発投手として結果を残した投手は、やはりモノが違う。私たちの記憶の中には9回裏の仁王立ち姿しかない、あの津田恒美投手でさえ、新人の時は先発投手として11勝6敗の成績を残している(新人王を受賞)。つまり、モノが違っていたのだ。

結論に近づいてきた。今、カープが求めている“球制主”は、先発投手として結果を残してきた投手だ。そう、悔やまれるのは、佐々岡投手以降、エース級の投手は海を渡った。(巨人にも行った。) それを責める理由も権利もファンは持ち合わせていない。

今すぐできることは、無い…。大金を叩いて、元ヤンキースのマリアノ・リベラ級の投手が海を渡ってくるか? エリック・シュールストロム氏にその全責務を負わしてはならない。実力以外にも、日本の風土、習慣、日本の野球に適応しなければいけないからだ。1984年カープ史上初の外国人投手としてファンが期待しすぎたデーブ・レーシッチ投手のように、期待した割に…が関の山だ。それでも、シュールストロム氏はデニス・サファテ投手、キャム・ミコライオ投手など、かなりの高確率で当たりを運ぶが。

3連覇の中核を担った中﨑 翔太投手、今村猛投手は入団2年目まで先発を任されていた。試されていたともいえる。結果、彼らは中継ぎ、抑えの道を歩み、今は連覇で積み重なった勤続疲労や肩の張りが未だ取れないでいるのだろう。今シーズン、彼らには出来る限り疲労回復に務めてもらいたい。

かつての佐々岡投手がそうであったように、エースクラスの投手が、脂が乗りきる前に抑えを経験するとしたら、それは先発の数が揃っていることの証し。だが、今は揃っていない。大瀬良大地投手は、先発としてまだ50勝台の成績だ。しばらくは、“球制主”不在が続くだろうが、カープファンは忍耐強い。かつての献身的な大エースの背中を大瀬良投手に重ね合わせて想像している。

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