『はだしのゲン』が、広島市立の小中高校の平和教育の教材から消えるというニュースが全国に駆け巡ったのは、今年2月のこと。約35年前まで小学生だった私も、町内会の子供会や小学校の遠足で毎年原爆資料館を訪れたり、映画『はだしのゲン』実写版のエキストラになれなかった(年齢制限のため)ことを悔しがったり、夏休みの小学校の校庭で、夜に『はだしのゲン』アニメ版映画の上映を観させられたり(当時はR-15指定が無くしばらくトラウマになる)、そういった平和教育のもと、あの漫画に相当お世話になったので、とても寂しい思いがしておりました。
いつの日か、被爆者の方たちがこの世からいらっしゃらなくなり、語り継ぐ人たちも、『はだしのゲン』も忘れ去られ、原爆の痛みが風化していく…。未来が戦争による死者の出ない、平和な世の中であったらそれでもよいと思いますが、実際は、より核の脅威に脅かされているという現実…。
そして5月、ウクライナのゼレンスキー大統領がG7サミット、そして平和記念資料館を訪問されたということ、岸田首相の功績はいわずもがなですが、がれきの中から這い上がってきた市民の生きざま、その78年後の街並みを、あのゼレンスキー大統領が肌で感じ取られ、そして世界に発信されたこと…。世界の人々が、平和について意識したこと、歴史が動いたことは事実ですよね。
(文春オンライン、2023/05/31)
『はだしのゲン』作者である中沢啓治氏の『広島カープ誕生物語』は私の愛読書であり、広島の人々にとっての生きがいであり、希望であり、勇気であり、夢でもあるカープを愛する気持ち。その思いを汲む新井監督だからこそ、選手を批判から守り、チームを鼓舞して、前評判を覆すセ・リーグ3位の位置で交流戦を迎えることができたんだなって、記事を読んで思いました。
踏まれて踏まれて強く大地に根を張り、まっすぐに伸びて実を結ぶ…。新井カープは、まるで『はだしのゲン』のように、踏まれても踏まれても立ち上がる麦のように、強くたくましくなってきているように思います。今季優勝しないとしても、ドラマティックな展開を期待してしまいますよね。G7や招待国の首脳、ゼレンスキー大統領が訪れた年に、その開催都市を本拠地とするカープが日本一になる…。いやいや、そんな出来すぎなことは…。無理難題かと…。でも、もしも、日本一になったら、世界も動きそうな、そんな夢をみさせてもらっています。
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